鷲羽山ハイランド Part2

  

    

体力を要する階段

鷲羽山ハイランドの園内の構造は遊園地としてはかなり特殊です。エントランスとカーニバル広場・ホールがあるところが「ベース部分」になっていますが、それ以外の主なアトラクションは、山の斜面と頂上に設けられています。分かりやすく言うと、「おひな様」のひな壇のような状態です。

山頂まで行く一筋の階段があって、その階段を「メインストリート」として、階段の両側と山頂に乗り物が配置されているという構造になっています。だから園内の移動には必ず階段の上り下りを伴います。

この階段が半端じゃないんです!

  

エントランスを入って右を見ると、こんな感じです。階段は大きく分けて3つの部分から成っています。それをここでは下から順に、階段その1、その2、その3、と呼ぶことにします。

まずここに見えているのが「階段その1」です。

   
   
階段その1

まず最初のうす緑色の部分を登ると左右に道が延びていて、右へ行くと「ばっくなんじゃー」、左にメリーゴーランドとメリーカップがあります。

この写真で見えている範囲が「階段その1」ですが、これを上まで登ると少し広い「踊り場」みたいになっていて、そこを左に入るとローターウエーブとチェーンタワーがあります。

   
     
階段その2

「階段その1」を上りきると、左の写真のように少し奥行きのある「踊り場」になっていて、その先から「階段その2」が始まります。写真で見えている範囲が「階段その2」です。

ここは頭上に「ばっくなんじゃー」の巻き上げ最高点があります。このあたりから右を見ると「ばっくなんじゃー」のコース全体がよく見渡せるので、絶好の鑑賞ポイントとなっています。

   
          
そして、階段その2を上りきると、この看板

でもまだ終わりじゃなくて、観覧車、チューピーコースター、ターボドロップ、バンジーはさらにこの上の山頂エリアです。

      
階段その3

チューピーの看板から始まるのが「階段その3」です。

途中でちょっと曲がっていますが、水色の部分とその上の緑の部分があって、これを上まで登り切るとようやく山頂エリアに辿り着きます。下から数えたら約350段ほどありました。

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何に乗るにも、その都度この階段を上ったり下りたりして移動しなければならない、というのが特徴です。しかも、食事とサンバ関係と「ばっくなんじゃー」は下で、観覧車、チューピーコースター、ターボドロップといった重要な乗り物が頂上ときているものだから、もう大変です。

途中で登れなくなって、膝に両手をあててゼーゼーいっている中年の人を見ました。階段だけでも、運動不足の中高年者には危険が伴うと言えます。

階段のない「迂回路」も併設されていますが、そちらにしても、こんどは回り道になって距離がグンとのびることから、決して楽な道のりではありません。

ここに来たら、必ず翌日は筋肉痛でしょう。

ある意味、体育会系遊園地と言える。

      
      
そうやって苦労して登ってようやく辿り着くと・・・

山頂エリアはこんな様子です(観覧車からの展望)

狭くて尾根のようになった頂上部分を必要最低限だけ整地して場所をとらないタワー型のものをならべてあります。山頂を取り巻くのがチューピーコースターです。これはもう、作った人を誉めるしかないですね。(整地してあるといっても、ほとんど土の地面です)

   
山頂(観覧車)からの瀬戸大橋の展望

瀬戸大橋(下津井瀬戸大橋)と最初の島である櫃石島がよく見えています。視界が良ければずっと先まで見えるはず。橋の入り口あたりに鷲羽山がありますから、こちらの山は鷲羽山の「お隣の山」と言ってもいいです。

ターボドロップの向こう側に見える建物は、せとうち児島ホテルです。

   
   
北側の眺め

瀬戸大橋と反対側の方角を見ると、こんどは児島の町や児島港が見えます。すぐ下には瀬戸中央自動車道の児島I.C.が見えます。

   
   
バンジージャンプ   

これも気持ちいいだろうな、きっと

このバンジージャンプは、この「絶景」のせいでしょうか、意外と人気が高く、けっこう並んでいました。

女性の姿も目立ったような気がします

↓チューピーも飛んだらしい
(チケットの上の方を拡大)

  
  
ターボドロップ

たぶん日本一絶景のタワー型マシンでしょう。左側もすばらしい海の眺めです。「気分は最高!」としか言いようがありません。上にいるときの爽快感だけなら、ブルーフォールにだって勝っています。

コラムにも書きましたが、S&S社の落下型マシンで、レッドタワー(富士急ハイランド)、クレージーストン(よみうりランド)、ハイパードロップ(パレットタウン)の同型機。日本では唯一、本名を名乗っているTurbo Dropです。

      
このあたりも地面はほとんど土なので、町の児童公園などにターボドロップが設置されているような雰囲気です。そういうミスマッチ感みたいなところも面白いです。周囲に付属する施設もきわめて簡素です。

  
      
シートは「3人×4」で、実はこれがちょっとした変わり種。 と言うのは、普通、スペースショット系は「4人×22人×2」がほとんどのようで、同じターボドロップでも富士急のレッドタワーも「4人と2人」です。

  
ボクの顔、もうちょっときれいにしておいて欲しいでチュー

  
  
瀬戸大橋展望タワー

ターボドロップの隣に並ぶようにして立っています。

リング状の「ゴンドラ」が上昇します。あまり高くないし、窓が汚れていて透明度が低いので、満足度は今一つでしょう。

ターボドロップや観覧車もあるので、少なくとも現在においては、あまり存在価値はないような気がします。

昔からあるのがそのまま残っているということなのかな?

    
  
山頂販売店

ここは飲み物だけのようです。だから昼食などはどうしても一番下の「サンバ」の界隈に行かなければなりません。

「山頂販売店」という名前も、なんだか不思議な響きですね。遊園地の園内じゃなくて普通の山みたい。

   
      
レインボー大観覧車

観覧車は山頂エリアの端でほんのわずかに低くなったところに建っています。

さて、ここで何が言いたいのかというと、この観覧車の設置の仕方。土台のところ以外はまったく整地してなくて、山の上に無造作にポンと置いたような様子は、他の遊園地ではなかなか見ることができない、ここ鷲羽山ハイランドならでは、といった趣です。さらにこの手前側には草もなくて、土がむき出しになっている部分も多いです。このワイルドな感じは、近年はやりの、都会の大観覧車では決して味わうことができない、「いい味」です。

   
しかし・・・

これ↓↓では、いつでも「霞のかかった瀬戸大橋」しか見れません。たぶん日本一透明度の低い観覧車じゃないでしょうか。(こんな具合ですから、上のほうに載せた写真などは、このドアのわずかな隙間から無理やり手を出して撮りました)

規模とロケーションは申し分ないのに、もったいないです。

    
さらには・・・

こういうところがいかにも鷲羽山ハイランド風

こちらも・・・

それにしても、何だろう?
誰か解読してください 

   

チェーンタワー

これは山頂から一段下がったところにあります。こういうのも土の上に設置されています。

   
メリーゴーランド

ここは一転、下の方のエリア。これなんかも、「道端に置いてあるだけ」といった感じが何とも不思議。写真左の方では地面から草が生えてます---あくまで自然体ですね。

   
〜〜鷲羽山ハイランドのまとめ〜〜

こんなにキャッチフレーズやキーワードが思い浮かぶ遊園地は他にありません。「瀬戸大橋の見える遊園地」「サンバチーム大暴れ」「世界一怖いスカイサイクル」「やたらと伸ばす兄ちゃん(ばっくなんじゃーのページ参照)」「体力を要する(恐怖の)階段」などなど。単語だったら、「絶叫」「絶句」「ノリノリ」「パッション」「エキサイティング」「チューピー」「ボロい!」・・・いくらでも出てきそうです。訴えかけてくるものが多いということです。

そんな具合で、非常にインパクトの強い、アクの強い、印象的な遊園地であり、また実際、とても楽しい、面白い遊園地です。

特にサンバチームの存在は欠かすことのできないもので、現在、これによってパークの雰囲気が決定されているといっても過言ではありません。一日中鳴り響くサンバの太鼓、彼らの叫び声・・・いやでもハイな気分にさせられてしまいます。ただし、隅から隅まですべて「サンバ」か、というとそうではなく、山頂のほうに行けば、まったく別世界の雰囲気になります。そういった二面性を持ち合わせているところが、これまた「不思議な魅力」になっていると思います。

遊園地のスタッフも若い人が多く、みんなが楽しそうに仕事をしているように見えて感じが良かったです。それだけでも利用者の気持ちは違ってくるものです。そういったところを見ると、スタッフも遊園地の一部、という当然のことを再確認させられました。(実際、あちこちの遊園地に行ってみても、その当然のことが実行されているところは決して多くありませんので。)

乗り物の数は必ずしも多くありませんが、一級品のループコースター「ばっくなんじゃー/スタンディングコースター」と、世界一怖い「スカイサイクル」を軸として、絶景の山頂に置かれたターボドロップ、バンジー、観覧車、チューピーコースター、という魅力たっぷりのラインアップで、満足度は非常に高いです。

(ただし、小さい子供向けの遊具は数少ないし、階段昇降が厳しいので、お子様中心のファミリーには不向きです。それと、普通の中高年も体力的に厳しいと思われます。)

交通の便は決して悪くない場所だし、瀬戸大橋を望む絶景も堪能できるので、皆さんも機会を作ってぜひ訪れてみてはいかがですか。必ずしも万人向けとは言い難いですが、オススメいたします。

   

尚、本レビューではほとんど触れられなかったチューピーですが、これがまた大変個性的、かつ存在感のあるキャラクターなので、ぜひ知ってもらいたいと思います。興味のある方はぜひ以下のサイトを覗いてみてください。チューピーを中心とした鷲羽山ハイランドの興味深い記事がたくさん載っていますよ。サイト内の「ぼやき」というところです。


    
    
  
  
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