サーフコースター Part1

   

まず、このロケーションがすべて!!といってもいいくらいですが、さらにコースそのものも秀逸です。

コースの特徴としてはまず、第一に海の上をコースターで走る部分があるということ。これはこのサーフコースターの一番の魅力です。「他にない」すばらしいチャームポイントです。

そしてそのほかにも、サーフィンをイメージしたという、うねるような比較的小さめのアップダウンを多く配したこと(公称20カ所とのこと)、それに何と4カ所の水平ループを持つこと、といった特徴があり極めて独創的なコースターといえます。ループは3回転1つ、2回転2つ、1回転1つ(厳密にいうと実際にはそれより約半回転ほど少ないですが)となっています。

大きなファーストドロップこそありませんが、巻き上げの位置エネルギーを少しづつ使いながら、あまり減速することなくほぼ一定の速度感を保って、先に述べた「うねり」やループの連続コースを走り抜けます。そして海側とそうでない側の間を往復運動するので、向きによって景観がまったく違いますから、視覚的にも大きな変化があって飽きさせません。それほどハードな挙動でないので、誰でもその景観を十分に楽しめるというところも良い点と思います。

コースターで「風をきる」のは普通ですが、その風が違うんですね。ほんとうに爽快で楽しいコースターです。

こういうのに乗ってみると、コースターにとって大切なのは、「最大何とかが、日本一だとか何だとか・・・」、なんていうカタログデータではない、というのがよくわかります。サーフコースター万歳!!

   

所要時間
2分58秒
最高時速
75km/h
全長
1271m
最高部高さ
44m
最大勾配
45度
海上突き出し部
85m
アップダウン
20カ所
水平旋回部
4カ所

officisal websiteより

     
  
コースレイアウト

写真手前の駅舎から海に向かって巻き上げ、最高点で180度右旋回してファーストドロップとなります。

公称4ヶ所の「水平旋回部」となっていますが、4つ目は下り傾斜でブーメラン様ターンをするので、私はこれを「ブーメラン様逆傾斜ターン」と呼ぶことにしました。これら4つの水平旋回とそれをつなぐ部分から構成されています。

第1水平ループは3回転(正味2回転半)で、この回転数は日本国内の水平ループでは最高だと思われます。4つのループの回り方は、左→右→左→右と交互に配置してあるばかりか、第2はバンデットと同様の登り水平ループとなっています。

また、これら旋回のつなぎの部分も単なるつなぎではなく、比較的大きなドロップや、小さなアップダウン(うねり)ないし左右方向の細かいアンジュレーションを伴っているなど、とにかく最初から最後まであらゆる手を尽くして動きの変化をちりばめている、といった感じです。

  
  
海上にある部分は、横から見た全長の約45%くらいで、巻き上げ、ファーストドロップと第2、第4ループが海上に位置しています。

全体としての「佇まい」は、どことなくフジヤマに似ているような気がします。

  
  
別の角度から。サーフコースター、ブルーフォール、シーパラダイスタワー、アクアミュージアムが一つのカットに収まっている写真というのは、実はなかなか貴重なものです。

  
  
第2ループだけが横に飛び出したような形でレイアウトされているのがわかります。

  
  
さらにしつこく、もう1カット。こうやって見ると、駅舎のデザインも全体の雰囲気に非常によくマッチしていると感じます。

  
   
〜〜それではスタートから順を追って紹介していきます〜〜
車両のデザインは先頭部分の作りや、模様など、けっこう派手。海やサーフィンとはあまり関係ない絵柄だけれど、それなりに楽しげだから、まあいいでしょう。背もたれ(ヘッドレスト部分)の高さに注目。いくら何でもここまで高くすることはないと思うのですが・・・。立派なU字ハーネスもあって、「垂直ループでもスクリューでも、何でも来い!」といった感じです。

ここ八景島シーパラダイスは、水族館がらみで団体客も多いので、けっこう「年配者」の方の姿も見られます。ただし、年齢制限あり、64才までです。

  
  
立派なハーネスと、足元にある網状の荷物入れは、バンデットに通じるものがあります。プラットフォームに荷物置き場はなく、手荷物などは原則すべて車内持ち込みとなります。ライドは一応ボックスタイプではありますが、側面部分は決して高くないです。だから、大きめのバッグなどは「足元に置いて」と言われても、正直、途中で落ちるんじゃないかと、ちょっと不安になったりもします。

でも、これは一方では、カメラでもビデオでも何でも車内に持ち込め、という風にも解釈できるわけでして(そんなこたぁないか?)・・・いやいや、とにかく「危険のないよう気をつけましょうね!」、と言いたいだけです(笑)

  
  
プラットフォームはバンデットなどと同じように、「片側プラットフォーム」で、前方が「乗り場」、「後方が降り場」という形式をとっているので、荷物置き場が設置しにくいようです。(この状態で荷物置きを作ると、ライドが終了した人達が降車して間違いなく荷物を受け取り、完全にプラットフォームから去った後でないと、次に乗る人をプラットフォームに上げられないことになり、きわめて効率が悪くなるのです)。ちなみに比較的最近の比較的メジャーなコースターでは、反対側にもプラットフォームがあって、そちらに荷物置きの棚があり、降車もそちら側から、というのが一般的です。

今度、何かコースターに乗られた時には、そういったプラットフォームの状態と、乗り降りの位置などにも注目してみると面白いかもしれません。

  
  
巻き上げ

  
  
FIRST DROP

最高点で180度旋回してファーストドロップに入ります。トーゴでは、四次元、トルネイダー、ばっくなんじゃー、クレイジーマウス系などに見られるポピュラーなレイアウトです。この形のルーツはコークスクリューでしょうか?

  
  
ファーストドロップでの落差は、以前、巻き上げ高の40%くらいなどと書きましたが、どうも横からの写真で良く見ると、おおむね50%強くらいのようです。最高部の高さ44mとのことなので、落差は20m程度ということになります。すると、これはコークスクリューなどと同じくらいのドロップということになるわけで、実際それほど迫力のあるものではありません。しかし、ここで無理に大きな落差のファーストドロップにしなかったことが全体のバランスを良くするのに役だって、結果的には良い結果をもたらすことになっていると感じます。

ただし、欲を言えば、このように「せっかく海に向かって巻き上げて行ったのに最高点でくるりと(海)に背を向けてしまう」というのでなく、バンデットや四次元のような形で、大きなファーストドロップとそれに続く豪快なブーメランターンを「海に向かって」設置できたらもっと良かったのでは、と思います。

  
  
セカンドドロップ

ファーストドロップのあと、このように大きなキャメルバックを越えて、セカンドドロップとなります。このあたりは、フジヤマのセカンドドロップに続く部分に似ていて、非常にダイナミックな動きの部分です。

   
  
第1ループ

キャメルバック〜セカンドドロップから、また上って、陸側の端の第1ループに滑り込みます。

  
  
下るにつれてだんだん速度を増し、バンク角も急になっていきます。

  
  
第1ループをを抜ける

再び海のほうへと向かいます

  
  
第1ループから第2ループへの流れ

小さなキャメルバックというか、「アップダウンのうねり」を二つ越えてサードドロップから第2ループとなります。ここではアップダウンのみならず、最初の登りでわずかに右方向にふくらみ、その後、進路を左向きに変える(第2ループは右回りなので左側から入る)ので、バンク角も右傾斜から左傾斜へと変化します。細かいですが、こういった上下左右の変化が組合わさって配置されているところがこのコースターの「よくできた」ところです。

  
サードドロップ

ここは第2ループが海上にあるため、海に向かってのドロップとなります。

  
  
 第2ループ 

バンデットに見られるような、右回りの登り水平ループです。登りの水平ループというのは、国内では他に、風神雷神2(エキスポランド)、ヴィーナス(スペースワールド)、アクアウインド(ラグナシア)に見られる程度で、数少ないものです。

   
  
第2ループ続き

  
  
4thドロップ

第2ループを抜けると、すぐにこの4番目のドロップとなります。

  
  
同じく4thドロップ。もうそれほど大きいドロップではありません。

  
  
この、第4ドロップに始まる、第2ループから第3ループに至るライン↓↓は、下の写真のように、3rdドロップと交差しつつその支柱の間を通過し、さらには第3ループから第4ループへのラインのの下をくぐって交差し、しかもそこに細かいアップダウンを伴うというレイアウトなので、とてもスリリングかつ変化に富んだ部分といえます。

   
  
第3ループ

第1ループの下方にレイアウトされている、右回り(下り)2回転(正味1回転半)のループです。2周目は低い位置にあり、木に埋もれるようになっているところに注目!

  
   
第3ループ続き

2周目はこの下なので、木の陰に隠れてしまって、あまりよく観察することはできません。

  
  
第4ループ

第3ループを抜けた後、小さなアップダウンがあって、さらにまたわずかに上った後、海上の第4ループ(ブーメラン様逆傾斜ターン)となります。このあたり、第4ループの出入りに伴う細かいアップダウン(うねり)も、一見目立ちませんが、なかなか芸が細かい感じで、秀逸といえます。ブーメラン様逆傾斜ターンは、海面近くであることを利用して、海面にすべり込んで行くような感覚を狙った、サーフコースターならではのレイアウトだと思われます。

  
  
第4ループ

わずかですが下り傾斜で海に突っ込んで行くような感覚がいい!

  
  
ここがサーフコースターで一番海面に近いところでしょう

    
第4ループの出口にはまた一つ小さなアップダウン(うねり)があり、さらに最後にお決まりのホップがあってフィニッシュとなります。
   
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