BANDIT(バンデット)
〜〜MEMORIAL PHOTO GALLERY〜〜
この美しい姿をいつまでも記憶にとどめたい

          
バンデットの全景(2002年8月撮影)

  
  
前半部分を中心に

   
  
〜〜バンデットのコースレイアウト紹介〜〜

   

   

 全 長  1560m
 最大高低差  78m
 最大傾斜  45度
 最高速度  110km/h
 乗車時間  187秒
 製造メーカー  トーゴ(日本)
 営業開始  1988年3月

        

         

コースレイアウトは少し複雑です。起伏に富んだ丘陵地に設置され木々が豊富なため、高いところに登らない限り、全体を見通すことが困難です。

上の写真で右下にスタート駅舎があり、巻き上げから(1)ファーストドロップのあと、一度登って左カーブのブーメランターン(2)を経てセカンドドロップ。これ下ったところに以前はライドフォト(3)がありましたが、今はありません。

そのあと右回りで2回転しながら登るユニークな水平ループ(4)が登場します。これを登り切ると、一度少しダウンしてまた登って右に約90度カーブ(5)しながらブーメランターンの下をくぐり、「巻き上げ〜ファーストドロップ」のラインに対して直角の方向にどんどん進みます。

この後半部には丘陵地独特の凹凸があり、その地形に合わせてアップダウンを繰り返します(6)。

そしてこの先に最も大きな深い谷(7)があって、ここでダイナミックなアップダウンが見られます。ここまで過ぎると、もうスタートから大分遠ざかって、ホワイトキャニオンの近くまで達しているのですが、かなり急なヘアピンカーブ(8)で右回りのUターンをします。

そしてまた先ほどの谷の部分を下って(9)、のぼり、さらに2回小さなうねりを経てゴール地点をめざします。駅舎の直前では、トーゴ「おとくい」のホップ(1段階段差を上がるような動き)でフィニッシュします。

             
特徴は?、そして何がいいのか?

バンデット(英語でbandit)というのは野山に出没する盗賊のことです。盗賊かどうかは別にして、このコースター・バンデットの特徴といえば、とにかくハイスピードで「野山を駆けめぐる」というイメージにつきます。ここ、よみうりランドのまさに天賦ともいえる丘陵地形と緑の自然環境、この中を極めてダイナミックにアップダウンを繰り返しながら疾走するわけです。

前半部分はファーストドロップに続きブーメランターン、セカンドドロップ、水平ループという構成ですが、そこまで終えると、コースターは前半部の展開エリアをきっぱりと離れ、突然、放たれた矢のごとく、一直線にはるか遠方をめざす旅に出ます。

この後半部分が極めて非凡で、土と緑におおわれた丘陵地の起伏に沿ってアップダウンをくりかえし、ハイライトはもっとも大きな谷を越える部分です。その手前の小さな丘をこえたと思ったとたん、緑の樹木の間から、突然目の前が開け谷間にdropして行きます。底まで下ったあと、木々の間を登り、丘をこえてみると、前方にはホワイトキャニオンが。そこで突然、びっくりするような右回りヘアピンカーブを行い、また今来た道をたどるかのごとく、同じ谷をうねりながら越えて出発地点の領域まで一目散に戻って行くのです。最後までスピードは落ちません。興奮と爽快感の持続したまま、気がつくと出発点の駅舎の裏手にたどりついて、急ブレーキ!息つく暇もないとはこのことでしょうか。ほんとうに素晴らしいです。

ファーストドロップは高さは60mほどしかなく、そんなに迫力はありません。これだけなら並のコースターでしょう。しかし、セカンドドロップのあとに、水平ループ。普通、こんな前半部に水平ループは置きません。なぜかというと、水平ループはスピードが落ちるからです。しかも、さらにバンデットのすごいところは、これが登りの水平ループだということです。登りだとなおさらスピードは落ちるのですが、ここでは、それが極めて重要な意味を持ちます。

ここで一度、高度を上げる、すなわち自走による「巻き上げ」を意味しているのです。一度60m程度のファーストドロップを終えていますが、このバンデットの場合、特異的なのはファーストドロップの高低差60mとは別に、後半部に約18mの落差を持っているのです。これが、このよみうりランドの自然地形によって生み出された、まさに魔法のような演出です。後半の十分に高低差を残したダイナミックなアップダウン、これをさらに増幅するための、前半部最後の逆水平ループによる巻き上げ、その総和によって、後半にも十分に位置エネルギーを残して素晴らしい躍動感が生み出されています。

結局、トータルでは高低差が78mということですから、ほぼ、FUJIYAMAの規模に匹敵するわけですね。最高速度は110kmということで、今となってはデータ的に突出したものではなくなりましたが、体感的にはかなり速く、爽快です。一般にコースターはファーストドロップで最高速を記録するものですが、バンデットはたぶん後半の方ではないかと思わせるくらいです。しかも後半の往復では、最後まで大きな減速は感じさせずにゴールまで進みます。そういった特徴が、あふれるばかりのスピード感、爽快感を生むのではないでしょうか。また、目に飛び込んでくるものは「緑」ばかりという、視覚的な効果も非常に強いインパクトを与えてくれます。

このようにバンデットは、「絶叫」とはちょっと異質の「大歓声マシン」です。

できることなら、誰しもが指摘するように、あの宙返りループコースターのような、高い背もたれと、肩と前胸部にあたるU字型ハーネスはやめてもらいたかったです。でも、もうそんなことはどうでもいいです。

「どんな姿でもいい、生きていてくれればそれでいい・・・」そんな気持ちです。

           
           

出発を待つバンデット。いつものことながらワクワク。

  
ライドの近影

このワイルドな感じがいいです

  
  

START

さあ、いよいよスタートです。駅舎を出るとすぐ右へ折れて巻き上げに入ります。バックには「大きな谷」へのドロップの部分が見えます。

    
   
   

巻き上げに入ります。登っていくと前方や右側の展望が特にすばらしいので、じっくり堪能しましょう。

  

旅立って行くバンデットの勇姿

  
  
↓ここは平行してゴンドラが通っているのも独特の雰囲気です。

         

巻き上げ中。向こうのこんもりした緑の中に後半のコースが走っています。ホワイトキャニオンの美しい姿もよく見えます。(ホワイトキャニオンの手前のヘアピンカーブで折り返してくるレイアウトに注目)

↑↑
巻き上げに平行して、フィニッシュ前の「ホップ」の部分も見えています。

  
  
エントランス近くから見た前半部の展望

巻き上げ〜ファーストドロップ、ブーメランターン、ループの各パートが見渡せます。

  
  
いよいよ巻き上げ最高点

かなり平坦部分が長いです

    
  

ファーストドロップ

右端に新宿の高層ビル群が見えます。

     
ファーストドロップの底から、ただちに上昇に転じて、左カーブのブーメランターンとなります。

ブーメランターン

  
  

ブーメランターンを別の角度から

     
   
水平ループ

ブーメランターンを終えて下ると、水平ループに入ります。 2回転しながら、何と、登っていきます。スピードが落ちるかと思いきや、意外とそうではなく、遠心力もかなりのものです。

  
  

水平ループ

少し別の角度から

    
  
水平ループを登り切ると、一度ドロップしてから、また少し登りつつ右旋回して、ブーメランターンの下をくぐり抜けます。こういったところのアップダウンとカーブの組み合わせたレイアウトは変化に富んでいて楽しいですね。

ここから、ホワイトキャニオン手前までの折り返しコースに入ります。

  
   
上と同じ部分を別角度から
(聖地公園から見たところ)

  
ブーメランターンの下をくぐり抜けたところ。 (手前に見えるコースはファーストドロップの底の部分です)

この一つ目のうねりを越えて、このあと軽くドロップ & アップして・・・

   
    
ここでやや右に折れながら(ライドが右に傾斜しているところに注目)、大きな谷のドロップに入ります。この、ハイスピードで突然右に傾斜したかと思うと、右方向に大きくドロップしていく感覚は「驚き」をもたらすもので、インパクト大です。

   
      

大きな谷のドロップ

急に右方向へ傾斜してガクンと倒れながら、谷に向かって落ち込んでいきます。突然、谷が目の前に現れることになりますから、ちょっと劇的な効果が感じられます。非常にダイナミックな挙動で、感動的です。(写真ではその躍動感が伝わらなくて残念!---このドロップの入りのところの一連の動きが最高なのです)

  
  

このドロップの底から駆け上がる部分(赤矢印↓)は、登り斜面に沿って木々の間を進みます。そこを登り切ると、ホワイトキャニオンが目の前に現れます。 

ホワイトキャニオンが見えたな、と思う間もなく突然ヘアピンカーブが出現します。谷から這い上がったかと思ったら、緑の中で急にUターンとなるわけで、ここの演出も意外性があって素晴らしいです。(手前のラインは帰り道)

   

ヘアピンカーブでUターンした後は、しばし平坦となり(写真右端)、ここでほんの一瞬だけ落ち着いたような状態になります。しかし、そう思わせておいて、すぐにまたこのように↓谷のドロップにはいり、ここでまた歓声があがります。これもまた心憎い演出です。

  
  
帰路でも緑の中を進みます(大きな谷の底部)

  
  
帰路の二つ目の小さなドロップを過ぎると、コースは左(写真では右)へ急カーブして、そうすると先に駅舎が見えて急ブレーキがかかり、フィニッシュとなります。

↑左に見える白いコースは、SLコースター

    
別の角度から

ヘアピンカーブからフィニッシュ前の左90度カーブへの流れ

  
  
左カーブを曲がると駅舎が見えてきます

  
  
そして最後の締めは、駅舎手前のホップです。ポンと一段階登って、直後に急ブレーキとなってフィニッシュします。

  
  
ここまで減速なくやってきて、もう駅舎の直前、というところでこのホップによる上下方向の動きと急ブレーキによる前後方向の衝撃を受けるこのフィニッシュは、バンデットの壮大な旅を締めくくるにふさわしい劇的な幕切れといえるでしょう。

    

〜〜おわり〜〜

        

     

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