サスペンディッドルーピングコースター
BLACK OUT(ブラックアウト)
     
ブラックアウトは1995年にオープンした、吊り下げ式コースターです。F2(那須ハイランドパーク)、ハリケーン(ルスツリゾート)、NIO(三井グリーンランド)と同型です。

製造元はオランダのVekoma社で、日本での設置はサノヤス・ヒシノ明昌社が行っています。

ブラックアウトの全景

   
   
駅舎にあるレイアウト図

       

〜〜コースレイアウトの詳細〜〜

主なコンポーネントは(2)の「ループ&スクリュー」と(4)の「ループ&ターン」、それと(5)の「2回転キリモミスクリュー」の3つです。(この名称は前の写真にあるように、乗り場に掲示してあった公式名称です)

「ループ&スクリュー」は垂直ループの頂点部で1回のひねり回転(スクリュー状)が入るという凝ったもの。「ループ&ターン」というのは、前半がコブラターンの半分で、後半が水平ループ、これを合わせた複合ループ。「2回転連続のスクリュー」は、ピレネーやオロチにもないもので、これら多彩なレイアウトはピレネー、オロチと比べても、まったく引けをとりません。

             

   
スタート駅舎

かなり質素な駅舎です。上の看板も何故か控えめ。
「中味で勝負」ということなのでしょうか?

  
  

駅舎の位置は、右にあるスペースショット側からは1段下がったところ、左のマッドコブラ側からは、コースの下をくぐってその奥、といった場所で、何だか「袋小路の先の行き止まり」みたいなイメージの場所です。

取材は2003年7月28日だったのですが、夏休みといっても平日だと、この通りで、ほとんど乗る人はいません。

          
   
シートは2人×10列の20人乗りです。ハーネスがすごくがっちりしていてクッションが厚いですが、これが必要なのは乗ってみるとわかります。

     
     
さあ、いよいよ準備完了です  

        
巻き上げ

        
    
ファーストドロップ

軽く右カーブしながらループを描くようなファーストドロップです

      
ファーストドロップの底---問題の場所

ファーストドロップの底部ですが、ここらから、何だか異様な(というか、異常ではないかと思われるような、と言ったほうがよいか?)横方向の激しい振動が発生するのです!(何度乗っても同じでした)この衝撃はかなり激しくて、「首が危ない」くらいです。一度収まった後、あともう一か所で同様の振動がみられます。この異様な横振動があるため、体に対する負荷は非常に大きいと感じられます。耐えるので精一杯という感じになります。

  
      
ループ&スクリュー

これは上のレイアウト図とは反対の側から見たところで、左から右に進んでいるところです。ループの上の部分で1回のスクリュー回転をします。動きの内容からみると、コブラロールの変形、といってよいレイアウトです。

   
     
では、改めて、順に写真を掲示します
まずは「入り」の部分

     
ひねり(スクリュー)回転をはじめます

   
       
垂直ループの後半に相当する動きです

     
   
ループ&スクリューを下りたところ
(写真左から右へ走行中)

     
一度軽く上って、次の、「掘れた地面」へドロップします。こういった部分は、ふつうのコースターだったらキャメルバックに相当するレイアウトです。吊り下げ式の場合は、変化をつけるために横方向の「振り」を入れるのが常道です。

     
(少しだけ)掘れた地面

キャメルバックを越えてダウンすると、駅舎の真横でループ&ターンに突入。まずこのドロップの最下点は、吊り下げ式コースターおきまりの「ウォ〜脚がぁ〜〜〜!!」の部分。ただしピレネーの「ピット」に比べるとインパクトは弱いです。注意していないと気づかないかも。

     
   
このあと、垂直ループのように急上昇します

   
        
ループ&ターン

垂直ループのように回って、反転したところで、半ひねり。その後は水平ループに移行します。この前半は結局、コブラロールの半分ということになります。

   
ループ&ターン 続き(中間部)

        
ループ&ターンの後半、すなわちターン(水平ループ)の部分

       
  
2回転キリモミスクリュー

水平ループで約1周まわり終えたあたりから次の2回転キリモミスクリューに移行します。写真は1回転(ひねり)目。(右から左に走行中

       
この連続2回ひねりも、ハードです(2回転目)
(この写真は左から右へ走行)

     
   
2回転キリモミスクリューを抜けたら、事実上「終わり」です。 ここから約1周大回りして、最後は「流す」といった感じで終了します。せっかく盛り上がっていたのに、終わり方が低調で、いまひとつすっきりしない感じなのが残念です。

      
壁が削られているところ

まあ、これは「おまけ」みたいなものかな。最後が盛り上がりに欠けるレイアウトなので、少しでもインパクトを加えようと追加された「仕掛け」のようです。

駅舎に入る寸前のところなんですが、このように壁が削ってあって・・・

   
   

ちょうど90度カクッと曲がるところで、こんなふうに壁にぶつかりそうになりますから、誰でも思わず「ウォ〜〜っ」といった感じになります。

  
  

言ってみれば「子供だまし」みたいなものですが、そう馬鹿にしたものではなく、なかなかイケます。駅舎の直前ですから、ほとんど止まりそうなスピードなんですが、けっこうヒヤッとして面白いんですよ。

   
  
     
まとめ

このブラックアウトは、コースレイアウトを見ただけで、かなりの「すごさ」であることは容易に想像出来ると想います。全長600mそこそこの中にこれだけの内容を盛り込んであれば、まさに息つく暇もないくらいの回転の応酬となり、極めてハードなマシンといえます。

ただし、実際に乗ってみると、そういったレイアウトによる激しさというばかりでなく、ところどころ何だか異様な激しい横揺れ(振動)を伴うので、このために頭頸部にひどい負荷がかかり、その結果、極めて「体に悪い乗り物」となっているような気がします。「ハード」と言ってしまえばそれまでなのですが、これはどうも「楽しさ」に結びついてくれない感覚のような気がします。

それと、全体の構成として、終わり方が悪い。ラスト1周残して「終わってしまう」ので、最後「シラ〜〜っとした感じ」になってしまいます。それでまた、その最後に上↑の削れたところにやって来て、「わァオ!」とかいうことになると、締まりのないこと甚だしいです。

評価に困るマシンです。ただし、とにかくすごくハードであることは間違いない。

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