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スチールドラゴン2000は、最高速度、最高点の高さ、最大落差、全長において現在もなお世界最大級のスペックを誇る、巨大なローラーコースターです。
最高点の高さ |
97m |
最大落差 |
93.5m |
最高速度 |
153km/h |
最大傾斜 |
68度 |
全長 |
2479m |
乗車時間 |
210秒 |
総工費 |
55億円 |
製造メーカー |
D.H.Morgan社
(現Chance Morgan社) |
営業開始 |
2000年8月1日 |
営業開始当時、全長、高さ、最大落差、最高速度の4項目で世界一となりギネスブックに認定されました。
ただ、このスチールドラゴン2000のすばらしさは、そういったスペックがどうこうということより、とにかく乗って楽しい、気持ち良い、それに尽きると言えます。
前半:まず97mの高さまで登って、ファーストドロップ、そのままもう一度登って77mのセカンドドロップ、さらにまた64mも登ってサードドロップと超大型のキャメルバックとドロップが続きます。
中盤:サードドロップは右へ折れながら下り(下の写真青矢印↓)、続いて8の字形の傾斜ループとなります。
終盤:最初のラインと並走する驚異の6連続のキャメルバックを経てスタート地点に戻ります。
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サードドロップに続く、8の字形傾斜ループの中盤
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大観覧車から見たところ
このスケールの大きさは「別格」ですね
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フライングアイランド(現在は撤去)の最高部からスタート地点を望む
右端に見えるフリーフォールが見えます
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もうひとつ、別角度から
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巻き上げ(乗車待ちの列から見たところ)
97mはさすがに高いです。初めて実物を見ると震えが来るかも。
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左側にはナガスパの全景が見渡せて、フリーフォールなんかは本当にに小っちゃく見えます。座席の背もたれは比較的ちゃんと高さがあるので、上昇中も比較的リラックスして座っていられます。
前だけ見ていないで、景色を堪能しましょう。そして最高点からの眺めはまさに絶景。前方には揖斐川の河口が見えます。左後方にはホワイトサイクロンの全景が見事です。
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さあ、97mの最高点です
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いくぞ DROP!
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スチールドラゴン2000の魅力は何といっても、この高さ97mから最大傾斜68度で下って時速153kmを記録するファーストドロップの快感につきます。これは本当にすごいです。
どういうふうにすごいかというと、「恐怖」とか「こわい」とかではなくて、「気持ちいい」のです。真下に落ちる感じで、その途中からは、体が浮いて、”コースターでレールの上を走行している”という感覚ではなくなります。100mの高さから飛び降りたらこんなんかな、と思わせるような、「落下感」が体験できます。国内の絶叫マシンでこれに一番近いフィーリングを示すのは(落ちて行く体の向きは違いますが)ブルーフォールではないかと言ってもいいくらいです。
FUJIYAMAのファーストドロップはこうはなりません。FUJIYAMAの場合は、あくまでも、「コースターでレールの上を滑っている」ままでファーストドロップが終わってしまい、そこが大きな違いです。
コースターでは現在では唯一、サンダードルフィンが国内でこれにやや近い感覚が味わえるコースターです。ただし滞空時間が何割か少ない感じですが。
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ファーストドロップ さらに別角度から
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もうひとつ オマケです
(園内で普通に見ていると、こんな感じが多いです)
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ファーストドロップからセカンドドロップへの流れ
97mの落下で時速153kmになって、一気に登ります
セカンドの山も何と77m!
これがフジヤマ並ですから、いかに凄いか!
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別の角度から---手前(写真右)がセカンドドロップ
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高さ77mを一気に駈け登り
フジヤマの最高点相当のキャメルバック上で浮き〜〜です
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グワーッと登ってまた前方の河口が見えたと思うや、一瞬、腰は完全に浮き上がり、浮いたと思う間もなく、こんどは引きずり込まれるように77mからの落下となります。このセカンドドロップの始まりで、もうかなりのスピードがついていますから、ここでも、ファーストドロップと同じような「落下感」がもう一度楽しめます。このセカンドドロップですら、フジヤマのファーストドロップを凌ぐ快感です。こんなのを2回続けて体験すると、誰でも間違いなく「病みつき」になりますよー。
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セカンドドロップの落下感を楽しんだ後、その勢いでサードドロップの「山」へと駈け登ります。この高さ64m。サードでもタイタン(スペースワールド)のファーストドロップの高さ以上なんだから恐れ入っちゃいます。
ただし、さすがに、このサードドロップの山を登り切るとスピードも落ちるので、サードドロップの落ち始めはかなりゆっくりしたものとなります。だからファースト、セカンドのような落下感は感じず、「じわーっと滑り落ちていく」といったイメージです。
サードドロップは、「シュワルツコフカーブ」に類似した急カーブしながらのドロップです。この高さからのこのタイプのドロップというのはスチールドラゴンでしか体験できないものなので、なかなか味わい深いものです。もしいきなりこんなドロップに遭遇したら、きっとかなり怖いのでしょうが、スチールドラゴンの場合は、すでに2つの大型ドロップを経験してからここに到るので、それほど怖さは感じません。
さて、そのサードドロップを下ると、8の字型の傾斜ループに入ります。ループは初め右回り(ループ1)、次に左回り(ループ2)と回った後、低いところを大きく左回りしてサードドロップの下方へ回り込みます。
この第1ループはかなり傾斜しているので、高低差も大きく、ループだけれど最高点は優に40m以上あるんじゃないかと思います。この期に及んでもまだそんなに登るのだから、ほんとうに凄いです。最初に獲得している高さ97mの位置エネルギーの偉大さを思い知らされます。
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反対側から見たところ
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右カーブしながらのドロップですが、比較的ゆっくりした感じで落ちはじめ、徐々じわ〜っと加速していく感じです。。
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サードドロップで下ったあと、またかなりの高さまで登っていることがわかります。(この第1ループはけっこう高い位置にある)
この部分は、ハイスピードで風を切って進む爽快感が売り物です。その前のきついドロップで身がすくんでしまった人でも、ここへ来るとなんとか両手を挙げて歓声もあげることができます。ただし、遠心力と風圧のため、完璧に「両手バンザイ」をきめるのは意外とむずかしいものです。
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8の字型ループを抜けて、サードドロップの下をくぐると、下の写真の青矢印↓で示した平坦部分で一度軽いブレーキングがあって少し減速。ここが終盤の出発点となります。
そしてそこからドロップして、クライマックスともいえる連続キャメルバックに突入します。キャメルバックは「全体がトンネルで覆われているのが2番目」と覚えておいてください。
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キャメルバックは全部で6連ということになります
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高いところから見るとこんな感じ
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近寄って見るとこんな感じ
かなり大きなものです
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ブレーキングポイントでスピードがゆるんで、最後は小さな凹凸を戻るだけか、と思わせますがこれがまた絶品なのです。
まさに波打つような6回連続のキャメルバック越えとなりますが、そのたびに、体は浮き上がっては、谷に引きずり込まれというのを繰り返します。いやいや、「浮く」なんていう生やさしいものではなく、跳ね上げられるといったほうが正しです。国内の他のコースターで「浮いた」とか言っているレベルとは次元が違います。体の挙動はまるで、荒馬を乗りこなす「ロデオ」の人みたいな感じで、バーやベルトで拘束されていなかったら飛び出して行ってしまいそうな勢いです。
途中2ヶ所に狭いトンネルがあるので楽しさ倍増です。そして、だいたいこの途中くらいのところで、みんな「チョー楽しい〜」とか叫んでしまいます。
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だめ押しにもう一枚
このように進んで行きます
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連続キャメルバックが終わると、ブレーキがかかり、あとはゆっくりスタート駅舎の前を通り、ぐるっと回るようにして後ろからプラットフォームに滑り込みます。
この間に興奮は少し静まり、降車したときには比較的穏やか、そして喜びに満ちあふれた気分に包まれます。手荷物を取り、出口を出て歩き出すと、まっすぐ進む気にはなれず、つい脚は左に向いて、再びこの入り口(写真下↓)に向かうのです。何度でも、何度でも!。
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まとめ
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前半は圧倒的なスケールを誇るファースト、セカンドドロップで異次元の落下感。中盤は開放感のある大型ループの爽快感、終盤は、トンネル付き6連続キャメルバックで浮きまくって歓喜!、これらのバランスの良さが秀逸です。
一度乗ると、すぐ続けて乗りたくなる--いわゆる「あとを引く」---のが特徴。そして幸いなことに、身体に対する負荷は驚くほど軽く、何度でも繰り返し楽しめます
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