LOOPING STAR
ルーピングスター
ルーピングスターはアントン・シュワルツコフの代表作の一つで、1978年にドイツで初登場したループコースターです。驚くことにその第1号機というのは元々「transportable type」(移動式)の製品だったそうです。全部で8基製作され、ナガシマスパーランドの他、スペイン、ハンガリー、オランダ、ベルギー、アメリカの各国に渡り、人気を博しました。
    
  コース全長    592m
  最高点の高さ    24.5m
  最高速度    77km/h
  ループ径    14m
(数値はルーピングスター一般のもの)
     
コースレイアウト

巻き上げに続いて、右カーブしながらのファーストドロップは「いわゆるシュワルツコフカーブ」です。これに続いて垂直ループ。その後は、8の字様の流れで敷地内を約2周します。ループ後の右カーブは高低差が大きく、ブーメランターン様です。両側で2回づつ、計4回の急カーブが配置されています。中央で交差する2回目の直線部分では軽いアップダウンがあって、気合いを入れれば少し浮きが感じられるレイアウトとなっています。

外国のものの写真(→こちら)を見ると、もともと移動式ということもあるのでしょうか、広場に無造作に置いたような形が多いような気がします。それに比べてこのナガシマスパーランドのルーピングスターは完全に庭園の一部になっているかのような佇まいで、まるで「箱庭」のよう。こういったところは、いかにも「日本的」と言えるでしょう。
   ↓↓↓

何しろ、内部?はこんな感じですから

  
  
巻き上げ

高さ24.5mですから、初心者の人でもそれほど怖くはないと思います

  
  
FIRST DROP

  
  
同じく
FIRST DROP
別の角度から

  
  
垂直ループ

突入速度もほどほどで、初心者の人でも馴染みやすいループかと思います

  
  
  
  
ループを抜けて、最初のブーメラン様ターンへ

  
  
ブーメラン様ターン

  
  
  
  
回り終わると軽いドロップ

  
  
次に、ファーストドロップの下を左旋回

  
  
こちら側で今度は左旋回

  
  
中央のクロスするところでは、最初に通ったラインの上を越えるので、ここを中心にちょっとだけアップダウンになっています。このため、注意深く意識すれば、少しだけ「浮き」を感じることができます。

この後、手前側で地面近くの低い位置で最後の旋回(右回り)となります

  
  
ループの横を通って、この後、右に折れながら「コの字型」のように進んで駅舎に戻ります。

   
         
まとめ

コンパクトなループコースターですが、内容は意外と充実しています。もちろん前半のシュワルツコフカーブによるファーストドロップとこれに続く垂直ループがメインですが、ループが終わった後も、ブーメラン様ターンに始まる4連続のカーブ(水平ループ)が待っていて、しかもそこを一定のスピード感を維持しながら走り抜けるため、短い割には比較的満足度が高いです。前半と後半部を比較しても、後半も負けていない、テンションが持続する、そういったところが優れています。

このレイアウトが、最終的には、ヴィーナス(スペースワールド)にまで発展した、というシュワルツコフの「生涯の仕事の歴史」に思いを馳せると、より一層、興味深いと思います。

コースターそのものの優秀さもさることながら、ここナガシマスパーランドでは、上にも述べた「箱庭的」な美しい自然環境との融和という点も見逃せないポイントです。これによって、コースターの魅力がさらにアップしていることは間違いないです。そのあたりは、としまえんのコークスクリューやサイクロンと同じで、一朝一夕に生み出すことのできない、「長い年月の成せる技」と言っていいかもしれません。

以上、いろいろな意味で、「名作」といえるコースターです。「絶叫マシン初心者」の人の入門機としても最適でしょう。

    
   
   

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