刈谷市交通児童遊園
   
   
所在地:愛知県刈谷市
交通アクセス:JR東海道線、刈谷駅(名古屋から約20分)下車、徒歩5分。

刈谷市とは:名古屋市の南東に位置する人口約13万人の工業都市。1926年(大正15年)に豊田自動織機が設立されたところで、「トヨタ発祥の地」とも言われているそうです。現在、トヨタグループ6社の本社が市内に所在しているとのこと。→刈谷市のホームページへ

     

ここは遊園地としては、地元以外ではほとんど認知されていないと思われる、まさにローカル遊園地です。私も比較的近い地域に住んでいて、しかも遊園地に興味を持っていろいろ調べたりしている中で、実際、これまでまったく知りませんでした。

じゃあ、何で知るようになったかと言いますと、別の件で「クレージーマウス」のネット検索をしていていたら、数少ない中に、けっこうこの刈谷市交通児童遊園の「クレージーマウス」がひっかかってきたというところから、その存在を知るようになったというわけです。

それなりの遊具が設置されているので、立派な「遊園地」と言えますが、普通の遊園地とはちょっと素性が違います。「交通」と名が付くところがミソです。愛知県には交通安全教育訓練施設というのが50以上もあって、この刈谷市交通児童遊園もその一つというわけで、ただの遊園地というのではなく、「子どもたちが、健全な遊びを通じて健康を増進し、豊かな人間性を育てるとともに、楽しみながら交通マナーを習得する(刈谷市オフィシャルサイトより)」といった目的のもとに設置された公共施設なのです。それにしても、その交通安全教育訓練施設というのはずいぶんたくさんあるのですね、オドロキです。静岡県なんか、そんなのほとんどないような気がしますが(私が知らないだけか?)、そのほかの自治体ではどうなんでしょうかね?

今回、わざわざここをネタとして取り上げたのは、ただ単にローカルだ、というだけでなく、「交通安全教育訓練施設」なんていう「いかめしい」名目の公的な施設であるにもかかわらず、何故かローラーコースターやバイキングといった、立派な絶叫系マシンが設置されているというところに「面白さ」を感じたからです。

こちらの特長としては、市民のための施設であることから、もちろん入園は無料で、遊具の利用料も1回50円(小型遊具は20円)という極めて利用しやすい設定となっているところです。

イメージとしては、一般的な公立の小さな公園などを想像してもらえるといいです。自由に出入りできて、緑が多く、トイレと自販機だけはありますが、その他、飲食施設や売店などはありません。「街の児童公園」といった趣の施設です。

それでは順にご案内して行きます
   
JR東海道線の刈谷駅南口を降りて、東海道線の線路沿いに5分ほど歩くと、住宅地域の端みたいなところにこの交通児童遊園はあります。

写真が入り口付近で、ごくふつうの「公園」みたいな雰囲気です。

  
    
道路から中を覗くと、こんなふう。右端に黒く見えるのが蒸気機関車の展示、左奥にコースターのクレージーマウスがあります。緑が多くて、何となくホッとする雰囲気です。

  
      
何しろ、市の施設だし、「交通安全教育訓練施設」ということでもあるので、派手な表示はなく、街の児童公園によくありそうな、こんな様子になっています。非常に地味ですね。

その存在を外部に向かってアピールする唯一の看板はこの程度(道路から見たところ)。ほんとうに控えめです。

   
      

さあ、中へ入ってみましょう。

入り口近くにあるゴーカート乗り場。写真右に蒸気機関車が置いてあります。そして向こうにちょっと見える白いレールが、コースターのクレージーマウスです。

    

なぜか公園(遊園地)の中に信号が?

この道路は車両などが通っているわけではなくて、ただここに信号と横断歩道、さらには歩行者専用信号機があって、どうやら、信号の付いた道路の渡り方を学ぶための施設となっているようです。おまわりさん(人形)も立っています。(でも交通整理しているみたいでちょっと変です)

ただし、こういった、いわゆる交通安全訓練のための施設は園内を見渡しても、唯一ここだけで、全体として「交通安全が学べる公園」になっているとは言い難いように思われます。

  
    
あくまでも「ふつーの公園」風です。
向こうにエアーファイターなどがあります。

   
  
こんな遊具もあって、ますます「児童公園」らしい。
    
これもなかなか人気のようでした

この場所は木陰でもあり、「憩いの場」です

   
   

何げに蒸気機関車が展示されています。というか、「交通関係のテーマパーク」と考えれば当然のことかもしれません。

ポピュラーなデゴイチ(D51)ですが、ラッキーナンバー(777)が付いているD51777であるところが貴重(?)らしいです。

D51は昭和11年から20年までの間に1115両生産され、国産SLとしては最も多く作られた貨物用の蒸気機関車だそうです。太平洋戦争中は軍事関係の輸送を担い、戦後は全国津々浦々を走り抜けて日本の復興、近代化を影で支えました。

    
       

こちらは、昭和49年まで走っていた名古屋の市電

           
       
新幹線もあるぞ!

さすがに新幹線の車両は本物を持って来れなかったのでしょう、こんな遊具が置いてありました。
    
    
ゴーカート

けっこう距離が長くて「乗りでがある」感じなので、なかなかの人気のようでした。(これなんか、1回50円は大変「お得」だと思います)

      
    
ゴーカートのコースには、このように、ころどころ交通標識が立てられていて、辛うじて「交通児童遊園」の面目を保っているかのようです。

   
       

サイクルモノレール

ポピュラーな遊具ですが、「のどか」で、いいものですね

サイクルモノレールポピュラーな遊具ですが、「のどか」で、いいものですね

サイクルモノレールも意外と距離が長くてオススメ

林などで境されて出発点付近からは見通せない隣のエリア(写真上)までやってきて、このように折り返してくるコースのため、ちょっとしたツアー気分が味わえます。

   
      

エアーファイター

かなりゆっくりと回っていました

トラバンド

これも、「ぐるぐる回る」といったイメージではなく、まるでスローモーションの映像を見るかのような、「マタ〜リ」系といった感じの動きで、逆に何だか不思議な遊具に見えました。

   
      
ちゃんと定番のメリーゴーランドも完備です

    
       
     

グレートポセイドン

私がここで何より気に入ったのは、ローラーコースターだけでなく、こんなところに何故かコレがあるということでした。

「交通安全」とかとは、あんまり関係ないような・・・

いや、海上交通---船舶・・・で、無理やりこじつけたのかな?

外から見ると、住宅街の中の、いかにも「公園」といった雰囲気のところに「こんなもの」がある、というミスマッチ感がなかなかいいです。

乗る人は多くありませんが、たった1人でもどんどん運転してくれるのがいいところ。ただし、50円という料金のせいか、さすがに乗車時間は短めです。

   
    

ミニしんかんせん

これも、親子で「マタ〜リ」系、いいですね

「ミニしんかんせん」には「かりやえき」がある!

ちなみに、本物の東海道新幹線はに「刈谷駅」はありません。(刈谷市内を通過はしていますが)

   
      
小型遊具

これらの小型遊具だけは、他と違って1回20円。意外と言っては何ですが、けっこう利用者があります。

自動車、飛行機、電車など、ちゃんと「交通関係」で統一されています(少しだけ動物もありますが)。

   
さて、最後に、ここの「真打ち」とも言える
ローラーコースタークレージーマウスを紹介します

このクレージーマウスは、いわゆる「マウス系」(バンクのない180度の急カーブを繰り返すミニコースター)ではありません。また、東武動物公園などにある、垂直ループのある小型コースター(トーゴ社製)とも違います。お子様向けですが、よくある「幼児向けのミニコースター」といった類とも違います。

じゃあ何かというと、要するに、「水平ループを持った小型の(普通の)ローラーコースター」ということができます。

マウスのライドに乗って走りますが、別にクレージーなマウス君ではなく、紳士的でノーマルなマウス君だと言えるでしょう。

    
これももちろん1回50円。 車両は3台あって、カラーはこの黄色の他、赤と緑で、あとで気がついたのですが、どうやら信号の色を表しているというこのようです(たぶん)。

特長は車両先頭にこのような「マウス君」の頭がついていることです(後ろにはしっぽもあります)。そして、このマウス君は、東武動物公園などの「クレージーマウス」と比べると、人相というか顔が素直にカワイイというのが大きな違いです。それと帽子なんかかぶっているところも、何というか、人柄(?)を表しているようで、なかなかいいです。

   
    
駅舎を出て、すぐ右に曲がって、巻き上げに入ります。ここのほんのちょっとした下り傾斜(写真下↓)だけでも、けっこう「絶叫?」が入ったりします。シートの背もたれはかなりしっかりしていますが、U字型ハーネスは付いていません。

    
   
巻き上げといっても、この程度。高さ5メートルくらいでしょうか?

    
  
最高点に達するとスタートですが、「ファーストドロップ」はなく、すぐに右回りの水平ループに入ります。 ゆっくり回り始め、だんだんと加速する感じです。

  
     
水平ループは1回転半くらいで、徐々に加速します。

   
  
ループを抜けて

    
  
その後、駅舎の方へ向かい、駅舎の前の広場みたいなところを1周まわる、というレイアウトです。

    
  
わずかながら、微妙なアップダウンとバンクがつけられており、単調にならないようにしてあるようです。「マウス君、がんばって疾走しているな」、といった感じ。

       
      
駅舎の前方を通過したら、また右旋回を続け

   
      
これで駅舎に向かい、フィニッシュです。 ここもちょっとしたダウンが見られます。

   
       
    
オマケにこんなのもあります

マウス君はやっぱりみんなの人気者!

  
まとめ

JRの駅近く、住宅街にある、児童公園風の遊園地

手頃な遊具と1回50円の料金で、家族連れで気軽に楽しめる市民の憩いの場

「ゴーカート」や「バイキング」、「コースター」なんかが、小さい子供の頃から、こんなに身近で気軽に楽しめたらいいな!

    

      

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