Tokyo Dome City アトラクションズ

   

サンダードルフィン Part1

     

   

サンダードルフィン Part1

    

           

  LaQuaとサンダードルフィンの全景


                  

旧「後楽園ゆうえんち」のうち、道路の向こうにある3角形をした北側のエリア(旧コースターランド)が全面リニューアルされ、2003年5月1日オープン。このエリアをLaQua(ラクーア)と呼ぶようになりました。

このLaQuaは、地下1700mから湧き出す天然温泉を引いた温浴施設(スパ)を中心として、ショッピング・レストラン街、アトラクションを配した新時代の複合アミューズメント施設です。

これに伴い、長く親しまれてきた「後楽園ゆうえんち」という名称はなくなり、これに変わって「旧後楽園ゆうえんち」全体のことを「東京ドームシティ アトラクションズ」と呼ぶようになりました。ですから遊園地として見た場合、「東京ドームシティ アトラクションズ」の中に、「パラシュートランド」「ジオポリス」「タワーランド」「ラクーア(のアトラクション部分)」がある、といった構成になっているわけです。

日本の遊園地史上、エポックメーキングな存在であった「後楽園ゆうえんち」が名前と形を変えた、ということは、近年各地で見られる遊園地閉鎖の事実と合わせて、時代の変化を表す出来事の1つと言えるかもしれません。

     


さて、リニューアルされたアトラクションの目玉は、何と言っても、ニューコースターの「サンダードルフィン」です。このコースターの生い立ちで特記すべきことは、このように狭い三角形の土地でしかも一辺には大型ビルを置く、そういった周りの条件が大前提として存在し、そこにハイクラスなコースターを作らなければならない、という宿命があったということです。これはある意味、ビルの中にコースターを作る、という大阪フェスティバルゲートのデルピス・ザ・コースターに相通じるものがあるかもしれません。

まずコースレイアウトですが、上の写真の右下、三角形の頂点からスタートして、「辺」に沿って、外周を右回りで2周します。外周にしかコースがとれず、しかもそのうちの一辺は9階建てのラクーアビルが占拠しているため、変化のあるレイアウトといったものは不可能で、とにかく2周まわって来る、といった感じです。3角形の頂点を5回通るので、5回の鋭角のターンがあるというところが特徴です。そしてその頂点は、2箇所がビルの角、1箇所が観覧車「ビッグ・オー」の円の中、となっており、そのあたりもユニークです。

どこがドルフィンなのか?ということを考えると、なるほど、エントランスの看板(写真左下)にも描かれているように、イルカの泳ぎと、水族館のショーで見られる「輪くぐり」などをイメージしているということのようです。

ビルの右端の円形の「壁の穴」を通り、さらに観覧車ビッグ・オーの中心を通るのがそれ。そしてラクーアビルの上のほうは青に塗られていて、屋上の部分は波打つような形状に作られています。その上をうねるように進むコースターは、まさに海を行くイルカのイメージということなのでしょう。2周目の小さな連続キャメルバックもハイスピードでここを進む姿はやはりイルカの泳ぎをイメージさせられます。さらには左のビルの角をめがけて一気に登る動きは、曲芸の時に水中から勢いよくジャンプするイルカの動きを彷彿とさせる、ということなのかもしれません。そう考えてみると、確かにドルフィンっぽいところ満載で、なかなか「よくできているなあ」と感心してしまいます。

          
ENTRANCE

並んでいる時には、この階段の付近で20分くらいです。所要時間が短いのと、混雑時には車両を2台使って運行しているので、結構効率的にさばいている感じです。

2台走らせているときには、1台が駅舎で乗り降りを行っている時に、次の車両が走り終えて戻ってきてすぐ手前で待っている、といった感じになります。

  
  
SEAT

車両の雰囲気はドドンパなどと少し似ていて、旧来の「ボックス型」とは異なり、このように台座にシートを乗せた、といったタイプです。シートベルトをして前方からT字型ハーネスを下ろします。背もたれはほどよい高さで、クルマのバケットシートみたいな感じで、フィット感は良好。着座姿勢も自然なので、座り心地としては極めて良好です。足元は身長175cmの私にとっては、やや窮屈な感じですが不満はありません(古いタイプのコースターと比べたら十分広いです)。いずれにしても上半身におおいかぶさるようなハーネスがなく、回りを囲むものもないので、開放感たっぷりで、非常にいい感じです。

最前部の車両にドルフィンの絵が描かれていますが、せっかくなら車両全体としてドルフィンのイメージを表現できるものだったらもっと良かったのに、と思います。カラーはこのオレンジ色ともう一台はイエロー系の2色です。

   
   
敷地が狭いので、駅舎の先は、すぐ急な登りに入ります

   
横から見た「駅舎〜巻き上げ」の部分

駅舎を出た瞬間から上りになっているのがよく分かります。巻き上げ角度は45.5度で、これは世界一の巻き上げ斜度だそうです(あまり自慢にはなりませんが)。

                 
  
START

動き出して分かることは、とにかく巻き上げの勾配が急で、スピードが速いということです。乗り心地は非常に良好。とにかく振動が少なく、なめらかに滑って行きます。カタカタいうような音もほとんどなく極めて静かです。

外から見るとすごくスケールが大きい巻き上げなのですが、勾配が急なため、巻き上げの「距離」としては意外と短く、しかもスピードが速いのでぐんぐん登って行って、まさに「あっという間に頂上に達してしまう」という感じです。

          
   
   
45度くらいで登っていると、かなり頭部を前傾する形になります。ただしシートの「背もたれ」がしっかりしているのでフジヤマのように腹筋に力を入れなければならない、ということはありません。

  
  
FIRST DROP

高さ約80mと謳われているだけあって、こうやってみると非常にスケールの大きさを感じます。ただし約80mというのは、まわりの土地から見た高さ(地上高)であって、コースター自体は土台が2階相当(?)の高さの上に設置されているので、実際の落差は66.5mとのことです。それでも国内では屈指の規模であることに間違いはありません。(でも、そうやって比較してみると、スチールドラゴンの落差93mというのは、やっぱりすごかったな、と感じます)

   
最高点に平坦部分がまったくないこの形は、ドロップの動き出しがやや鈍いので、この点がちょっと残念です。

それでもこの最大斜度74度というドロップは、「滑り降りる」でなく「落下する」という感覚を生み出す優れたファーストドロップで、国内では唯一「スチールドラゴン2000に近い落下感」を体感できるものです。だから、スチールドラゴンが稼働していない現在では、もはやここでしか味わえない感覚といえるでしょう。

  
落差も十分にありますから、「滞空時間」が感じられます

乗り心地が異様に滑らかなので、何だか「スル〜ッと落ちる」みたいな感じで、従来の他のマシンにはない不思議な乗り味とも言えます。そう、イメージとしては、コースターというよりは、タワーハッカー、ブルーフォールなど垂直落下系の乗り(落ち)心地に近いかな?

   
  
       
ファーストドロップを終えると、その勢いでビルの左端を一気に駆け上り、かなり右に傾斜して急峻なターンをします。このあたりはスピード感に優れ、非常にダイナミックです。 動きとしては、まさにイルカの水中からのジャンプみたいですね。

            
違う角度から見たところ

ビルの壁に張り付いて梯子(はしご)で登る」みたいな印象です。こういったところは、真にコースター本位で考えれば、もっとドルフィンが躍動するような雰囲気を演出するようなコース回り(壁面など)のデザインというのも可能だと思うので、そういった点は残念です。(まあ、仕方ないですがね)

   
一気に登りつめた後は、急カーブの旋回です

  
かなりの急旋回でバンクの角度も急ですが、横揺れも含め振動の非常に少ない滑らかな走りのため、恐怖感や迫力といったものは感じにくいと言えます。というか非常に爽快です。特に右側の席が気持ちいいです。

         
角度からのショット。バンクの様子がよくわかります。

   
このようにして、屋上のステージへ出ます

  
  
この第一ターンを終えると、ラクーアビルの上に出ます。屋上から湯気みたいのが出ているのが笑えます。これはドドンパのような演出なのか、はたまた下がスパ(温浴施設)だからその関係で排気みたいなことになっているのか、どっちなのでしょうか?。(実際、異臭を感じます!)

  
  
       
   

    

inserted by FC2 system