神戸ポートピアランド
        
    

所在地:神戸市中央区
交通アクセス:JR線三宮駅〜ポートライナー・南公園駅下車すぐ

   

ポートピアランドは神戸市、三ノ宮沖にある人工島ポートアイランドにある遊園地です。

神戸市は古くから港町として発展してきましたが、第二次世界大戦後には造船業、鉄鋼業などの重工業を中心に戦後復興を果たしてきました。しかし、いわゆる「高度成長期」にさしかかると、それら重工業においては工場設備が大型化の一途をたどり、「背後は山地、前には海」という神戸の立地条件では、用地不足という問題が深刻化してくることとなりました。そういった背景から、昭和30年代には、山を削って海を埋めたてて臨海工業地帯を造成するという事業が盛んになり、その一環として開始された大規模プロジェクトが、人工島ポートアイランドでありました。

ただし、当初は工業用地確保のための計画でしたが、昭和40年代後半に入ってからは、「多機能型複合都市」の中核として整備するという路線に方向転換されることとなり、その結果、ポートアイランドが一応の完成を見た1981年にこれを記念して神戸ポートアイランド博覧会(通称、ポートピア’81)が開催される運びとなりました。

この博覧会の施設の一部が発展的に存続してできた遊園地がこの神戸ポートピアランドというわけです。こういった成り立ちのパターンは周辺事情などもあわせて、よこはまコスモワールドとよく似ていますね。

ただしこの神戸ポートピアランドも、ご多分に漏れず近年の「遊園地をとりまく厳しい環境」の真っ直中にあり、「2003年春に閉園」という計画が一時まとまりかけました。しかし幸い、閉園計画はとりあえず変更ということになり、経営形態を変更しての一時的存続ということになって現在に至っています。このあたりの詳細はコラムの記事を参照してください。

    
   
ENTRANCE

ポートライナー南公園駅を降りると、すぐにこの入り口が見えます。背後に観覧車が重なって見えて、「絵になる」ななかなかいい風景です。長方形の敷地で、このエントランスがひとつの角、そして対角線上の一番奥の一角にこの観覧車ジャイアントホイールがあります。敷地面積は5万Fですから、富士急ハイランドの10分の1くらいの広さ(狭さ?)で、メジャークラスとしてはかなりコンパクトな遊園地と言えます。

   
         
中央広場

エントランスを入ってすぐのところがこの中央広場。右にミュンヘンアウトバーンや奥にはダブルループが見えます。何だか人がいねーな〜。
(2004年6月某日---平日ではありません)

   
      
中央広場からオールドタウンを望む

左のほうを見ると、このようにオールドタウンと呼ばれる家並みが見えます。このタウンはドイツをイメージしたものらしいです。

シュワルツコフのコースターといい、「ミュンヘンアウトバーン」といい、ここはいろいろドイツ嗜好のようですね。調べてみると、ポートアイランド造設開始の当初に、資本の面でドイツ銀行が関与していたとの話があり、どうもそのあたりからの縁ではないかと推測されます。

ところで、こっちを向いても、ほんとに、人がいねーな〜〜。(平日ではありません)

     
   

オールドタウン

外国風の町並みとのことで、一見それなりに綺麗ですが、建物の内部は主にふつうの土産物ショップや飲食店、しかもその内容はと言えば、ラーメン、そば・うどん、カレー、ハンバーガー、土産物、ゲーセンといったラインナップなので、違和感大です。

エントランスからずっとここまで歩いて来ると、これはもうゴーストタウンと呼んだほうがいいのでは、と感じます。

   
   

このオールドタウンの通りの端にゲートがあって、その向こうにBMR-Xの山があります。BMR-Xは、もう敷地の端なので、こんなことからも、ポートピアランドの「奥行き---すなわち、狭さ」というものが分かりますね。

   
       
帆船ゴールデンハインド号

16世紀にキャプテン・ドレイクが帆船として初めて、世界一周をした船のレプリカ。昔は、内部にレストランがあったようですが、現在はゲームコーナーみたいになっています。一応、港町神戸を象徴している模様。

撮影地点のジャイアントホイール(観覧車)と正面ゲートが長方形の敷地の対角線で結ばれる頂点なので、この写真の視野でポートピアランド全体の2分の1くらいが見渡せています。

南公園駅からエントランスがすぐ目の前というのがわかりますね。

    
  
ジャイアントホイール

高さは63.5メートルと現在では中規模クラス。ただし、歴史的には1982年度と84年度のギネスブックで世界最大と認定されているようです。

昔は港の景色が良かったらしいですが、最近では埋め立てが進んでしまって、それほどでもなくなった、との評。

   
     
コンドル

横浜ドリームランドにもありましたね。高さ25mまで上昇とのこと。飛行塔の現代版といったところでしょうか。としまえんの「イーグル」と同機種と思います。

     
  
4本のアーム全体が回転するのに加えて、7つ連なった搬器部分も回転します。回転半径が小さく、かなり早く回る感じなので、展望塔というよりは、「回転系遊具」の性格が強いと言えます。

  
  
ジャイアント・ウエーブスィンガー

よくあるウエーブスィンガーですが、ここのは搬器が「花をあしらったカゴ」になっているのが珍しい。かわいらしいです。前後に座る2人乗りゴンドラがカップルに大好評。夜間はライトアップされ、一層ロマンティックに」とのこと。へェ〜という感じ。

   
   
ほとんど空(から)で運転していました

     
     
ジャイアント・スプラッシュ

いつまで待っていても「人が乗ったカット」が撮れなくて・・・

ところで、メリーゴーランドは二層です。

  
     
なかなかいいsplashが上がっています

高さ26mとのことで、これは堂々のメジャークラス。グレートザブーン(富士急)、シュート・ザ・シュート(ナガスパ)など30m級に次ぐ規模でしょう。

  
  
ジャイアントホイール、ジャイアントウエーブスインガー、ジャイアントスプラッシュ、と、何だかジャイアントが好きな遊園地のようです。

1980年代の遊園地ですが、それ以前の日本の「高度成長期」の公共事業から生まれたという生い立ちなので、そういった時代の「大きいことはいいことだ」---1960年代に流行したコピー(森永エールチョコレートのCM)---といった精神がまだ残っていたのかもしれません。

   
ダブルループコースター

1981年設置、シュワルツコフ製のダブルループです。垂直ループ自体がまだセンセーショナルだった時代の機種なので、ループ以外のみどころはありません。ファーストドロップに続いてこのダブルループとなり、その後、後半は、ただ「何となく」といった感じで大きく右旋回して回ってきて終わりです。

ただし、シュワルツコフの「ダブルループ」には他にもいろいろあって、外国のものはもっとループ以外のレイアウトが多彩で面白そうなのですが・・・。

   
    

富士急ハイランドのダブルループ(サノヤス製)と比べると、こちらの方が、ファーストドロップに引き続いてすぐにループとなるため、まだ勢いがあって「ふつーにGのかかったループ」という印象ですが、特に激しさなどは感じられません。

  
  
出口の回転扉

今どき、こんな危険なモノを
そのままにしておいちゃいけません!!

注意の張り紙するより、早く撤去すべし!

一応、ポートピアランドにその旨、メールにて提言させていただきました---「手動式回転扉の運用のあり方につきましては、現在検討している段階でございます」と、文書にて回答あり。ということは撤去する気はないようですね。

---2004年6月 記

   

   
まとめ

アトラクションとしては、人気のBMR-X 、古典的なダブルループコースター、珍品といえるミュンヘンアウトバーンの3つのコースターを備え、その他絶叫系としてはフライングカーペット、スーパー・ループオントップ(トップスピン系)、さらには可愛いジャイアント・ウエーブスインガーもあり、展望系では大観覧車とコンドル、水ものとして立派なジャイアントスプラッシュとリバーボートの2種、2層メリーゴーランドもあって・・・と、挙げてみるとなかなか魅力的で充実した品揃えで、決して悪くないんだけど・・・

でも、な〜んか人気がないみたいですね。どうしてなんだろう?

まず一つ感じるのは、なんとなく「くつろげない」感じかなあ?。狭いところに遊具はぎっしり詰まっているのだけれど。

狭い、自然を感じにくい、そんなところが影響しているのかな?

ここに限ったことではないのですが、オールドタウンのような「ヨーロッパのどこそこの町並み」みたいなレプリカ作っても、20年前ならいざ知らず、21世紀ともなると、もう夢も何も感じることは難しいでしょう。しかもその建物の中がラーメン、そば・うどん、カレー、ハンバーガー、土産物、ゲーセン、そんな感じじゃあ、「昭和の風情」になってしまいます。そういった違和感。

小さな子供が存分に遊べるような内容でないことも欠点。

   

でも、一番大きな問題は、

アトラクションの質の問題かもしれない・・・

BMR-X、ミュンヘンアウトバーン、ダブルループ、ウエーブスインガー、コンドル、トップスピン系・・・回転系に偏り過ぎ!! 個々に見れば悪くないんだけれど。

遊べば遊ぶほど、目が回って、気持ちが悪くなってしまいます。

実際、私も、これだけあちこちの遊園地を巡っていて、今回ここで、はじめて「回転責め」の結果気持ち悪くなってしまいました!!

     

いずれにしても延命期間もあとわずか(たぶん)。絶叫的には見どころも十分あるので、行ったことのない人はお早めにどうぞ!

   
      
ミュンヘンアウトバーン 

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