スペースショットの話

鈴鹿サーキットの
スペースショット

スペースショットは、誰でもよくご存知の、垂直タワー型打ち上げマシンです。現在、日本各地に比較的まんべんなく分布していますが、初登場は1996年のことで、まず最初、同年3月に花やしき、これに続いて4月に鈴鹿サーキットに設置され、我が国での口火を切ることとなりました。

それまで垂直系の絶叫マシンといえば、フリーフォールが唯一のもので、これは日本初登場が1986年(東京サマーランド、姫路セントラルパーク)といいますから、この10年間はフリーフォールの独壇場だったわけです。

ちなみに、スペースショットと時を同じくして、別系統の垂直タワー型落下マシン(インタミン社製:ニュートン、メテオ、G-max、タワーハッカー、ブルーフォール)も登場して、現在日本には、大別して以上3系統の垂直タワー型マシンが存在しています。ですから、この垂直タワー型というのは、フリーフォールだけは一つ先行していたものの、その他は、1996年以降の登場と、まだかなり新しい絶叫マシンだと言えます。

さて、本題のスペースショットですが、よく知らない人は、混乱しがちなので、その名称やラインアップについてここで説明します。

スペースショットという名称でアトラクションが存在しているのが最も多いですが、似ているけど名前が違う、そして、同じ所に打ち上げ型と、落下型が並んでいたり、あるいは、スペースショット似の落下型マシンなんだけれど、名称もいろいろ違う・・・。そんな状況です。

このあたりを理解するためには、まず、「スペースショット属」というグループで一まとめにして考えます。これは、S&S社(アメリカ)の垂直タワー型マシンということで、この中に、打ち上げ型マシンと、落下型マシンの両者があり、それぞれスペースショット(Space Shot)とターボドロップ(Turbo Drop)という名前(これは登録商標らしいです)が付けられています。そしてこの両者がそれぞれ単独、または複合で設置されている、というのが実体なのです。そして日本での固有名称は若干異なるものがあるということです。以下、S&S社のウェブサイトの表をもとにまとめてみました。

日本に導入されたS&S社製垂直タワー型マシンの一覧
(SS:Space Shot   TD:Turbo Drop)

遊園地名
Space Shot
Turbo Drop
各園での名称
ルスツリゾート(北海道)
SS
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スペースショット
那須ハイランドパーク(栃木)
SS
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スペースショット
浅草花やしき(東京)
SS
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スペースショット
パレットタウン(東京)
SS
TD
ハイパーシュート
ハイパードロップ
多摩テック(東京)
SS
---
スペースショット
よみうりランド(東京)
SS
TD
クレージーヒュー/ストン
富士急ハイランド(山梨)
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TD
レッドタワー
ナガシマスパーランド(三重)
SS
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スペースショット
鈴鹿サーキット(三重)
SS
---
スペースショット
鷲羽山ハイランド(岡山)
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TD
ターボドロップ
スペースワールド(福岡)
SS
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アトラスタワー(営業終了)

すなわち、ハイパーシュート、クレージーヒュー、アトラスタワーは名前は違えど、要するに「スペースショット」である、ということだし、ターボドロップ、クレージーストン、レッドタワー、ハイパードロップの4つも同一機種で本名は「ターボドロップ」ということになるわけです。だからスペースショットは日本の各園においても本名のまま稼働していることが多く、一方、ターボドロップの場合は、本名のまま稼働しているのは鷲羽山のみということになります。

ただし、同一会社の同一機種といっても、スペック的には多少ちがうことはありますので、「まったく同一」とまではいえません。日本国内のものの中では、ナガシマスパーランドのスペースショットだけは、高さも70m級、3本連立という国内では異色のスペースショットです。他はおおむね同じ規模と思われます。

S&S社の垂直タワー型マシンのラインアップとしては、実際には他に、Double Shotとか、Combo Rideと呼ばれるものもあり、外国の遊園地はそれらが設置されているところもあります。

     

  

     

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