タイタン
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観覧車スペースアイからの展望。タイタンはスペースワールドの敷地の東端の境界に沿って設置されているので、すぐ向こう側には道路が走っています。全体がきちんと見渡せるVIEW POINT は園内に他になく、なかなか写真を撮るのが難しいコースターです。
大きなファーストドロップ〜セカンドドロップが一直線に連続し、その後右へ折れて第2のエリアでぐるぐる回って、その後はじめのラインに平行して連続キャメルバックで戻ってくるという、スチールドラゴン2000と似たようなレイアウトです。
アメリカArrow社製で、Cedar PointにあるMagnum XL-200の兄弟機種のようです。(レイアウトは大分違いますが---特に中間部分)。車両のデザインもほとんど同じですね。高さ、最大斜度、全長、最高速度なども数値的にはほとんど本家と同じです。1994年3月開業なので、初登場した時には、フジヤマもなかったわけで(フジヤマは1996年)、バンデットを抜いて日本最速(そしてたぶんMagnum XL-200と並んで世界最速)のマシンだったのです!
そのように振り返って見ると、間違いなくエポックメーキングなコースターだったと言えます。
全長 |
1530m |
最高点の高さ |
60m |
最大斜度 |
60度 |
最高時速 |
115km/h |
最近ではオフィシャルサイトに最高速度を載せていませんので、現状でどれくらい出ているかは不明です。というのは、乗ってみたら、それほど速くないような気がしたので。
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タイタンの駅舎
まあ、カラフルですけれど、今日的にはちょっと趣味が悪いかな?
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園外、東側の道路から見たファーストドロップ
よく、宣伝やガイドブックの写真などでは、高さと斜度を強調したような写真が乗せられていますが、実際見た感じは、こんなものです。
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FIRST DROP
高さ60m、最大斜度60度と現在でもなお、国内ではトップクラスのスペックを誇っています。数値どおり、バンデットと同じくらいの高さで、斜度はちょと急、そんな印象です。
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遠景ではこんな感じになります
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このファーストドロップでは、最後尾の車両なら今日的にも十分なスピード感と「滞空時間のある落下感 」を感じることができます。
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でも、残念ながら、最前席(写真下↓)では「さっぱり・・」なんです。
最高点の直線部分がほとんどなく、登りの最後とドロップの最初が連続しているため、前方の車両が下りに入っても、まだ後ろの方は登っています。このため前方の車両では下り始めても後ろから引っ張られて「宙づり」になっているような状態で、「ちっともスタートしないでズルズルと下がる」という感じが強いです。
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SECOND DROP
ファーストドロップを下りきると、すぐさま上昇に転じ、この大型のキャメルバックを越えてセカンドドロップとなります。
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セカンドドロップは高さ40m台で、登りも下りも傾斜はそれほど急ではなくなるので、もはやそれほどの迫力はありません。(写真下↓)
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そしてセカンドドロップを越えるころには、かなりスピードが落ちてしまっています。車両が老朽化してどこかの摩擦が多くなってしまったのではないか?、と思うくらいです。
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第2エリアへ
セカンドドロップを終えると、今度はさらになだらかな傾斜で少し登り、その後右へカーブして(写真下↓)第2のエリアに向かいます。
ゆるやかなアップダウンを繰り返しながら大きくこのエリアを回るわけですが、もうスピードもだいぶ落ちているので、このあたりで「半ば終わったな」という感じになります。
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第2エリアの全景
左の赤矢印↓がセカンドドロップです
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そこでは・・・
まずこのエリアの外周をゆっくり1周ほどまわるのですが、すでにだいぶ遅くなってきたな、と実感されているところへもってきて、その後に何とブレーキをかけちゃうんです!
初めて乗った中学生でさえも「ここで一旦終わるんだ!」と声を発するほどのスピードダウンがあります。ほとんど徐行運転、といった感じになります。
ちょうど、よみうりランドのSLコースターがファーストドロップのあとブレーキをかけるのに似たフィーリングです。
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どうしてそんなに減速するのか? と言いますと・・・
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驚くことに・・・
その先には
何と
・・・・・
こんなに小回りのループがあるんです!!
↓↓
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拡大すると・・・
UNBELIEVABLE !!
36人のり車両がこの小さいループを連続で回るのはかなり厳しいものがあります。だからこの時点で、最高速115kmを誇ったスピードコースターは完全に別物に変身してしまうわけです。
まあこれは言い方を変えれば、「全く違った2種類のテイストを味わえる」ということにもなるのですが、わざわざブレーキかけて減速してこんなところを走らせるのは、あまりいいレイアウトとは言えないような気がします。
実際あまり気持ちよくないです。
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極小ループをまわる
車両は1両に6人乗りで、これが6両連結となっています。これは一番後ろの車両の2番目の座席から見た写真です。こういう状態に写るということは、いかに回転半径が小さいかが分かると思います。 そのため当然、スピードとしてはかなり「ゆっくり、おもむろに」回る、というイメージです。他に例えれば、「よっこらしょっ!」というかけ声が聞こえてきそうな感じ、とでも言いましょうか。
そして特筆すべきは、ゆっくりの割には構造上の都合からか、かなりのバンク角がつけられているので、回転の内側(ここでは左側)にずり落ちそうな、そんな怖さがあるのです。こういう挙動はたいへん珍しいと思います。
ループは眼鏡みたいに2つあるので、最初は左回り、次が右回りと連続します。
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ループを抜けて・・・
こうして見ると、どちらかと言うと、「マウス系」のコースターみたいですね
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連続キャメルバック
ループを抜けると、ゆっくりした速さ(遅さ)のまま、最後の連続キャメルバックに入ります。全部で5つあるようです。スピードがないのに加え、起伏も小さいので、残念ながら、ほとんど「浮き」ません。気合いを入れても無理かなー?
それでも、修学旅行生の人たちは、けっこう歓声をあげていました。まあ、他の一般の「ジェットコースター」に比べれば、このくらいアップダウンが連続するだけでも楽しいですからね。
こういう連続キャメルバックも国内ではスチールドラゴン(休止中)以外にはないのだから、「浮かない」とはいえ、とても貴重なものです。
ファーストドロップ〜セカンドドロップのラインに対面しながらの連続キャメルバックで駅舎に戻るレイアウトはスチールドラゴン2000と同じですが、タイタンではこの部分にトンネルはありません。
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フィニッシュ
(スタート駅舎から見たところ)
先頭部分のデザインはまさにMagnum XL-200
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まとめ
一応、現在でも数値だけなら世界最大級のコースターでしょう(もちろん日本でも最大級)
最後尾に乗車すれば、ファーストドロップでは「それなりの絶叫マシン」です。これはなかなかいいです。
これだけ立派な高さと斜度と初速を持っているのに、早々にブレーキングで減速させて、ちまちまとマウスみたな動き(しかもすばしっこくないマウスです)をさせるレイアウトにしてしまったのはいかにも残念。設置スペースの制約をうけたレイアウトなのかな、と思います。
その当時世界一だったMagnum XL-200を、一応データ上の数値だけは合わせてスペースワールド用にデフォルメして導入したのでしょう。(Magnum XL-200は中間部がのびのびしていて、スピード感は落ちないと思います)
この前後半のギャップを考えると、「珍品」に属するコースターかもしれません。そして極小ループの部分の変な挙動も、ある意味「面白い」とは言えるので、そういった意味では「一度は体験してみる価値あり」と言ってもいいでしょう。総合評価としては「お勧め」を付けておきます。
オフィシャルサイトの解説には、「大気圏を抜けて、宇宙空間へ突入し、宇宙を体感。そして地球へ戻ってくるまでの、人類が成層圏を制覇する壮大なプロジェクトをイメージして造られた」と書いてありますが、なんだかすごい想像力ですね。
破損部位を黒のビニールテープでべたべた貼って補修?していたのは興ざめ(何となく一事が万事、のような気がしてしまって)。
かなり行列ができているような状況でも、スタッフが階段下の入り口(チケットを確認)に一人とプラットフォームに一人、たったそれだけで運行していました(これはヴィーナスも同じでしたが)。そんなんでいいのかなあ?。
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