スペースワールド

      

所在地:北九州市八幡東区

交通:鹿児島本線、スペースワールド駅(小倉から5駅目、約13分)を下車すぐ。

     

ここは、かつて日本の近代重工業発展の基礎を担った八幡製鉄所のあったところで、その跡地に1990年に作られたそうです。

宇宙をテーマとしたテーマパークで、これは国内では他に類をみないものです。実際の設計図をもとに忠実に再現されたというスペースシャトル・ディスカバリーの模型(すなわち実物大)が設置され、これを用いて打ち上げプロセスを再現した「カウントダウンショー」(ただ煙が出るだけ、という話ですが)が毎週末などに催されたり、スペースキャンプといってNASAの宇宙飛行士訓練プログラムと同様のトレーニングを泊まりがけで体験できる施設があり、話題となりました。        

   

しかし誕生とともにバブル崩壊を迎え、さらに当時、日本でも一つのブームにもなったスペースシャトル計画も、90年代にはアメリカの経済事情と平行して縮小の一途をたどりました。そして同じ頃から現在まで、我が国のロケット打ち上げは、度重なる失敗に見舞われ、宇宙開発への上昇ムードというのしぼんでしまったと言わざるを得ません。アメリカにおいても最近では「アポロの月着陸」の真偽が取りざたされたり、また現在ではテロの脅威などの問題もあって「宇宙どころではない」状態になりつつあり、いずれにしてもかつてのような「宇宙への夢」が果てしなく膨らんだ時代とは大分異なった時代背景となってきています。

   

さらに追い打ちをかけるようにここスペースワールドにおいて、1998年8月にはアトラスタワー(いわゆるスペースショット)の搬器をつるしているワイヤーが切れて落下し、乗客12人が重軽傷を負うという事故が起こって、その後、アトラスタワーは営業停止(現在もその残骸がのこっていますが)に追い込まれ、さらにはフリーフォールがあったのも、その頃以降になくなってしまいました。(これは観覧車に置き変わったようですが)         

   

このような流れから、現在では、そもそも売り物であった宇宙関係の施設は大きなリニューアルなく、古びた感じで「未来の夢」を感じさせるようなものではなくなり、実際、子供達の関心は大きいとはいえません。たとえばスペースキャンプの施設は見学もできますが、トイレを利用する以外には訪れる人もあまりいないようです。乗り物関係もスペースショットとフリーフォールが消えて、そのほかは何となく昔のまま、となると、今となっては、ちょっとさえない印象は否めません。スペースショットの残骸がいまだにパーク中央部に鎮座しているところなどは、何か象徴的あるいは暗示的といえるでしょう。

   

タイタンの座席横内側の部分など、見るとどれもビニールシートみたいなものが切れて破損しており、これを黒いビニールテープでベタベタ貼り付けて「補修」してある。そんな様子を見ると、未来・宇宙・科学など、このパークが本来志向しているはずのイメージとは、およそかけ離れた実体が浮かび上がってくるようで、ちょっと悲しいものを感じてしまいます。宇宙と乗り物の関連付けにしても、ネーミングとちょっとした外装での安っぽい表現にとどまっていて、「本物」とはほど遠いものばかりです。

   

こういった流れを打開して集客するために作られたのでしょうか、オリジナルキャラクターというものもあって、これはこれでけっこう良く出来ているのですが、これもやはり施設全体との関連性が希薄で、しかもミュージカルショーと土産物ぐらいにしか登場しないようなので、どうも「取って付けたような」印象がぬぐえません。尚、近年では小さな子供用のアトラクションがいくつか追加になりました。 

          

結局、企画と出だしはすごく良かったのですが、バブル崩壊とともに「尻すぼみ」になって現在に至っている、そんなふうに感じられます。

それでも、年間入場者数は100万台後半レベルを記録しており、数としてはそれなりの集客を実現しているといえます。これは、「ただの遊園地・テーマパーク」ではなく「教育的な付加価値のある施設」との一般認識から、修学旅行の団体客を多数取り込めているためと推測されます。そういったことから、何もしないでもある程度の数の客が集まってしまうので、経営側、スタッフに向上心が少なくなっているような気もします。

        

良いところは

(1)清掃がいきとどいて、きれいなこと
(2)気軽に食事などができる飲食施設が充実している
(3)オリジナルキャラクターの土産物(小物、お菓子類など)が充実している
(4)JRの駅のすぐそば

といった点です。

       

コースター2つ(タイタン、ヴィーナス)と「水ものアトラクション」2つが、そこそこ楽しめるので、その他の宇宙にちなんだアトラクションと合わせて、まあ十分に一日遊べるパークにはなっていると思います。

素質はあったのに、ちょっと残念。今後の更なるリニューアルを期待したいです。 

      

→このように言っておりましたが、2005414日に、とうとう赤字に耐えられなくなって加森観光に売却される方向で検討されている、というニュースが流れました。閉園情報ではないのでまだいいですが、今後の動向を見守りたいと思います。

        

スペースワールドがんばれ!

〜〜ある日のスペースワールド点描〜〜

   

   

JRのスペースワールド駅

JR線で遊園地の名前がそのままついた駅というのは少ないのではないでしょうか。

      
    
  

改札口を出ると、こんな感じに見えます↓

本当に駅に直結、といった感じです。(赤いのは観覧車)

  
  

エントランス
なかなかきれいです

    
    
   

パーク内は緑も多く、花壇なども整備され美しいです。

木の後ろにスペースショットみたいに見えるのは・・・そう、スペースショットなんです!。でも今では営業しておらず「残骸状態」です(2002年秋撮影)。1998年刊のガイドブックには「アトラスタワー」と呼ばれるスペースショットが「登場した」と書かれていましたが、同年、事故ったため、すぐに営業停止となり、そのまま現在に至っているようです。また以前にはフリーフォールもあったらしいですが、観覧車に置き換えられてしまって、今は影も形もありません。

     
  
   
     
旧アトラスタワーと観覧車スペースアイ

先にも述べましたが、事故を起こした後、営業再開に至らず、そのまま放置されている「スペースショット」のアトラスタワー。撤去にも多額の費用がかかるため、手をつけることが出来ないとの噂です(2002年秋撮影)。

スペースアイは比較的最近作られた観覧車で、高さは約100mあり、国内ではベスト10に入る立派な規模のものです

  
  
スペースアイ

公称高さ「100メートル」とのこと。すっきりしないのでスペースワールドに問い合わせたのですが、「約100メートルは約100メートル」、といった感じで埒(らち)があきませんでした。きっと100m未満なんでしょうね、これは(笑)。

閉鎖された呉ポーートピアランドのジャイアントホイールの移設であるとの説もありますが、確認取れていません。(時期としては合っているようだが)  

     
     
     
スペースアイからの展望(北側)

園内の施設としては、エントランスのエリアが右下に見えています。

このスペースワールドの敷地は先に述べた通り、かつては八幡製鉄所が栄えていた場所なので、海上輸送に使われたと思われる水路(入り江)がすぐ目の前まで来ています。右遠方に見える赤い橋が若戸大橋でその向こうが海になっており、そこから右のほうへ少し行くともう関門海峡がすぐ近く、というロケーションです。

        
    
     

さて、入口を入って、右の方を見ると、このような景観。これがやはり一番「スペースワールドらしい定番ショット」といえますね。シンボルともいえるスペースシャトルとそれを取り巻く「ヴィーナス(ループコースター)」です。右手前にスペースキャンプ(後述)があります。

    

    
    

スペースキャンプ

開設当初、全国的にも大きな評判を呼んだ施設です。近寄ってみても人の気配がほとんどなく、廃墟みたいでした。

   
    
スペースキャンプの内部(2003年秋撮影)。宇宙飛行士の訓練用器機などが並んでいます。元々「泊まりがけでの訓練プログラム体験」というのがが画期的な「売り物」で、それ以外にも単品で器機の体験ができるのですが、現在ではあまり宣伝もされていないようです。実際、2003年に行った時にも、ほとんど「見向きもされない」といった状態でした。(この時、人の気配がなくて怖かったです)

      

現在の「目玉」は、強いて言えば「月の石」かな?これは以前からずっと置いてあるようですが、1969年にアポロ12号が持ち帰ったとされる月の石で、1970年に大阪万博で展示された月の石の同類ということになります。

ちなみに、現在、国内で「月の石」が常設展示されているのは、他には東京上野の国立科学博物館(ここのはアポロ11号と17号のもの)だけということで、なかなか貴重です。

アポロの月着陸はどう考えても作り事(事実でない)のようなので、「月の石の展示」というのも、今では「B級スポット的な価値」と言えそうで、そういった意味で注目度大です。(今回、また愛知万博でも月の石の展示をやっているらしいです)

  
   
   

ビッグバンプラザ

オリジナルキャラクターも登場する楽しいショーなどをやっています。遠足でやって来た幼稚園児がたくさんいます。お弁当をたべながらショーを見ていました。2階がレストランになっており、遠足の幼稚園児でなくても食事をしながらショーを楽しむことができます。

   

       

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